2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

記号論の再構築のために(2)

3 古典的記号論から現代的記号論への展開――ソシュール記号学の構想 20世紀から現時点までの記号思想の展開を通観するとき、この間になされた探究の跡を大きく整理して、これを「古典的記号論から現代的記号論への展開」と捉えることができる。いまでは常識と…

記号論の再構築のために (1)

記号論の再構築のために――問題と構図 記号論(semiotics)とは何だろうか。歴史的な事実として見れば、記号論は、20世紀の初めに期せずして(だが真実は思想史的必然性によって)記号についての学(sémiologieないしsemiotic)を異口同音に提唱した二人の人物…

〈遊び〉についての断章 (5) 

〈遊び〉を再考する――規則の梯子 3 方法としての遊び 俗なる現実とわたりあい、そこに遊びの時間と空間をしつらえるためには、素手ではどうすることもできない。この事態を私たちは、遊びには〈方法〉がいる、いや遊びとは方法そのものだという命題に要約し…