2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

記号系としての絵画の生成 (2)

絵画の生成に立ち会うために、私たちはさしあたり二つの問いを設けた。第一ににいう「不思議な交換システム」とは何なのだろうか、そしてでメルロが請け合っているように、身体がこうした構造を生きることを通じて、どのようにして表現としての絵画が立ち上…

記号系としての絵画の生成 (1)

メルロの遺作である珠玉の短編『眼と精神』、ふつうは絵画論として読まれているが、その実、彼の内部存在論をその構成主義的ダイナミズムにそくして明らかにした形而上学のマニフェストでもある『眼と精神』――モダニズムに呪縛された読者には難解そのものに…

という観念の生成について (9)

人間の有限性――苦 人間には、生来、世界に到来するあらゆる事象をとして受容しようとする心の傾きがある。この心的な習慣がという観念の生成をうながす動因にほかならない。 われわれは、古代文明における信仰や医術にその明らかな事例を確認することができ…