2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

言語音のシンボル機能への展開

と題した本ブログ記事(http://d.hatena.ne.jp/namdoog/20060610)において、初発の言語音の生成を機能論的観点から分析する道筋をしめしたのだったが、その際、初めての言語音が一面ではアイコン(類像)他面ではインデックス(指標)として機能することを…

ドーキンスのと

ドーキンス『利己的な遺伝子』(Richard Dawkins, The Selfish Gene, Oxford University Press, 1976)は、われわれが当面する問題に対していくつかの論点を明らかにしてくれる。この本は人間をと見なす暗澹とした(?)人間観のために、発刊と同時にセンセーシ…

言語の生成相としての

記号にはどのような種類があるのだろうか。記号のタイプを分類する課題にパースが一途に取り組んだことはよく知られている。いく通りか案出された記号分類のうち最も人口に膾炙されたものは、アイコン(類像)・インデックス(指標)・シンボル(象徴)とい…

統合体としての言語音

正統的言語学のパースペクティヴから望見すると、言語をめぐる探究として三つの言語学的部門――言語学、パラ言語学、運動学――が成立しているのがわかる。最後のとは、おおよそと呼ばれる分野に相当すると考えてもらえばよい。 従来これらの部門は別箇に研究さ…

記号系の

前回の日記に再帰的動き>(recursive move)を話題にしたが、この場所で何度も記号系の再帰的動きに言及したものの、まとまった形で考えを披瀝したことはなかった。そこで今手もとにあるノートや素材からこの概念を扱っている文章を掲げることにしよう。筆者…

聴こえない音楽を聴くということ

人間の記号機能が他の動物と著しく異なる点はそのおどろくべき「柔らかな」構造であろう。この言い方はもちろん喩えであるが、記号機能の優れた適応能力のことが言いたいのである。 例えば蜜蜂のダンスのことはよく知られている。野原のどこか遠くに蜜源を見…