2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

という観念の生成について (5)

を希求する心の傾向性 ヘブライズムとヘレニズムの二つの古代に始まる精神世界においてすなわち記号という観念が誕生する経緯を垣間見ることが出来た。 ヘブライズムにおいては、は何よりも神の業や摂理を表意するものであった。その具体的形象には、虹や天…

という観念の生成について (4)

ヘレニズムの伝統 2 占いと医術とは同じ源に発しているとされている。ギリシア神話では、どちらもアポロンの属性である。例えばプラトンは、『饗宴』で「アポロンが弓術、医術、占いを発見した」(197a)という旨のことを述べている。神アポロンの代理をこ…

という観念の生成について (3)

ヘレニズムの伝統 という観念の生成にヘレニズムの伝統が大きな寄与を果たしたことは、すでに厖大な資料によって明らかにされている。記号学の分野でこの点を強調したのは、ハンガリー出身の記号学者トマス・シビォクであった。ここではG. Manettiが原資料や…

という観念の生成について (2)

ヘブライズムの伝統 問題の考察の手がかりをなぜヘブライズムの伝統に求めるのだろうか。この問いにかんしては、第一に、そうする積極的な理由を簡単に説明しておけば十分だろう。 そして第二に、じつはこの考察(知見)の範囲がじつは単にヘブライズムの伝統…