学業をおえる(=卒)日であってはいけない

namdoog2006-03-24

 卒業式であった。用事をすませて昼過ぎに大学に出てみると校内の風景はいつもとは一変している。男の学生は大半が窮屈そうなスーツ姿、女の学生は振袖か(正式には何と言うのか)袴姿がほとんどであった。

 自分の部屋で仕事をしているとノックする者がある。学部卒業生のA君である。晴れやかな顔をしている。いつになく雄弁だ。ひとしきり卒業後の彼の仕事などについて話していたが、なにかモジモジしている。先生、一緒に写真をとらせてください。

 そうこうしているうちに他にも三人ほど集まったので、ややぎこちない歓談の輪ができた。先輩に頼んでやはりスナップを一枚、また一枚。とちゅうフラッシュが作動しないのであれこれ突っ込みをいれたが、撮影をひきうけてくれたI君に感謝。

 学園を去る者たちに幸いあれ、なぜならこの世界はかなりひどい場所だから。

 去る者を見送る我々に幸いあれ、なぜなら大学もいまでは俗にまみれた世界となったから。
 
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